1. しかもそれは,禁欲主義や極端な自己否定を要求するものではありません。

2. イエスは禁欲主義や極端な自己否定を奨励していたのではないことに注目してください。

3. 犠牲の儀式が複雑化するにつれ,禁欲主義,つまり肉体の苦行を強調する傾向が見え始めました。

4. 西暦366年,ローマを去ったヒエロニムスは各地を放浪し,やがてイタリアのアクィレイアに着き,そこで初めて禁欲主義の考えに接しました。

5. 5 恐らく,コリントのクリスチャンはギリシャ哲学に多少接していたことでしょう。 その幾つかの学派は極端な禁欲主義,もしくは自己否定を称揚していました。

6. 宗教関係のある有名な権威者は,その点に触れ,クリスチャン「会衆の崇拝において」器楽を禁ずることは,「禁欲主義を持ち込むもので誤りである」と述べています。

7. イエスは決して禁欲主義者ではありませんでしたが,その簡素な生活は,富を蓄積したり,栄光や政治権力を得ようとしたりする野望とは無縁なものでした。

8. ランバートは,「完全者と東洋の禁欲主義の教師,中国やインドの仏教の僧や行者,オルフェウス教秘義の信奉者,グノーシス主義の教師などとの間には真の類縁性があった」とみなしています。

9. ルカ 5:29)ある婚宴の際に水を良質のぶどう酒に変えたことがイエスの最初の奇跡として記録されており,その事例から,イエスが社交嫌いではなく禁欲主義者でもなかったことが分かります。(